新しい暮らし方の提案

土地を持たない
マイホーム

戦後豊かになった日本の暮らしは、生産年齢人口の増加に伴う経済成長と、所得倍増計画や日本列島改造論など政治力が重なり達成されました。発展の果実が地方まで及んだのは、全国津々浦々まで鉄道や道路が整備され、地方にも企業誘致やリゾート開発が進んで、「土地神話」と呼ばれた地価上昇や雇用の創出が地方都市にまで及んだからです。

バブル崩壊後、失われた20年とも言われ、一部の大都市の資産家や富裕層はより豊かになり、多くの中間層・中流階級と呼ばれる一般市民は、経済成長の恩恵を十分に受けることなく令和を迎えました。先進国の中で、日本は豊かさを感じる人達が相対的に少なくなっています。懸命に働いて貯めたお金が、僅かな金利しか生まず、貯蓄を頭金にして建てた住宅も、以前のような豊かさの象徴にはならなくなったのです。

その理由は、敷地や住環境自体に”ゆとり”が失われただけでなく、土地神話の崩壊により不動産自体が”将来は含み益を生む個人の財産”から”子供たちでさえ戻りたくないという負の資産”になってきたことでしょう。不動産の資産価値が目減りする現状は、人々の感情・購買行動に大きな負の影響を与えています。住宅を購入することで上りエスカレーターのように浮上すると思ったら、入居後に資産価値が下落し、人生の後半が下降線をたどるのです。

景気の「気」は、人々の気持ちが大きくなれば景気指数も上向きます。土地神話のあったバブルの頃に比べ実際には給与所得やGDPが上昇している令和の時代に、現実は住宅を取得することで家計の資産は縮み続けているのです。お金の出入りだけ計算する「損益計算書」では気づかなくても、資産の増減が分かる「貸借対照表」つまり、企業会計の”バランスシート”を家計に当てはめてみると、その事実に愕然とします。

豊かさを感じる人は、バランスシートが次第に膨らみ、不動産だけでなく保有株式や購入債権など、含み資産が増えている人たち。平成のはじめの頃までは、サラリーマンも含めて一般の市民も多くが金利や配当を含め、不動産や会員権など含み資産を増やしていたから、豊かさを感じていたのです。

景気や日本経済は、個人ではどうしようもありません。しかし不動産や住宅を販売している我々住宅産業では、異様だった戦後の50年間の住宅・不動産マーケットの成功体験の終焉を認め、長期に亘って住宅の資産価値が上昇している海外の成功事例に真摯に学ぶことで、魅力ある暮らしと生活のゆとりを創り出せるはずです。その「他国の成功事例」で有望な仕組みが、土地を売買の対象にせず、土地と建物の所有を切り離すことで、良好な住宅地、街並みの美しさを維持して、誰もが住みたくなるようなリースホールドによる一定規模の宅地開発です。

米国では、車社会になる前の心地よい近隣関係を築いていた時代の近隣住区を現代風にアレンジした「TND」(Traditional Neighborhood Development/伝統的近隣住区開発)が人気の団地として活発に取引されています。米国の住宅地を視察した私達専門家の中で、日本でも実現できたら人気の住宅地になるだろうと大いに期待されているのです。

リースホールドのメリットとデメリット

メリット01住宅取得コストが安くなる

もはや車を所有しない世代が家庭を持ち、家族の増加で家が欲しくなった時、土地を所有する価値は薄くなってきました。特に都市近郊に住もうとしたら、土地を取得するだけで大きなお金が必要です。それは土地代だけでなく、住宅ローンの金利や固定資産税など毎年の負担も続きます。土地を所有しなくても、戸建住宅を所有するという新しい選択肢がリースホールドです。

メリット02近隣との心地よい距離感

単に土地の所有と建物の所有を切り離すだけの定期借地権分譲とは違い、隣接した6棟以上の住宅を一体で建築する英国式リースホールドは、地主所有の共有の庭が住環境の豊かさをもたらせ、プライバシーを守りながらも住区内の近隣とはお互いを尊重し、協力する関係となります。子育てや見守りなど、かつての近隣コミュニティが防犯も含め、安心して暮らせる住宅地です。

メリット03将来も資産価値が続く

従来は「土地にしか価値がない」と考える社会常識で日本中が洗脳されていました。豊かな住環境のある欧米では、更地は何ら付加価値を投じていない「素材」のようなもので、手間とコストを掛け、時代を重ねて熟成した住環境こそ不動産の価値が常識です。計画的に資産価値上昇の仕組みを設計し適切な維持管理をするリースホールドは、中古になっても需要が続きます。

デメリット01自分の土地じゃない

地球上に「自分の土地を登記したい」という価値観も否定できません。現在の税法や日本人の価値観では”土地は不変の資産で目減りしない”と考える人が大半です。しかし分譲マンションは「区分所有」で個人所有とはなりませんが、住むという機能・目的は十分果たせます。所有者不明の土地が九州ほどの大きさとなり、820万戸の空き家のある時代に土地所有にこだわりますか?

デメリット02ローンが組みづらい

土地担保金融の日本の住宅ローンは、土地を所有しないリースホールドでは住宅金融支援機構など、限られたローンしか利用できません。複数銀行で低金利の変動金利型ローンの比較も厳しいでしょう。しかし年収の倍率によって融資上限が決まる住宅ローンで、金利の支払総額を計算すると、土地代を含まないリースホールドのほうが経済的負担が減り、返済不能リスクも減るのです。

デメリット03中古で売却しづらい

従来日本で分譲された一般定期借地権付き住宅は、10年以上住み中古住宅になった時に売却が難しいと言われてきました。欧米と異なり、建物が”減価償却財”として計算され、査定価格が低く、ローン残債に比べても安くしか売れません。さらに借地の残存期間も短くなっていて「解体が前提の住宅」は買う人を躊躇させるのです。そんな不安をクリアしたのがリースホールドです。

リースホールドの疑問点

土地所有者です。
宅地造成までして、すぐに入居者が集まらない場合、地代が入らないリスクはありませんか?
基本的に「不動産経営」なのでアパート経営と考え方は同じです。事業リスクは、建物代金を自ら調達して建築する必要がない分低くなります。リスクと建築費を”満室保証のサブリース”と”相続税対策”いうもっともらしい仕組みでごまかし、過大な借金をさせ「相続資産が圧縮できた」というアパートメーカーとは対極の、地主が安心できる新しい仕組みを提供します。
故郷で親が所有している土地ですが、離れて住んでいての土地利用や管理に問題は生じませんか?
親が建物まで所有しているアパート経営は、実際には建物の経年劣化や設備のトラブル、騒音などの近隣問題も「家主に帰属」します。相続”税”対策としてのアパート経営は、将来建物を減価償却して借金は10年で返済、家賃収入が現金で貯まると、相続税対策にはならず負の遺産を負うのです。管理会社任せのアパート経営よりも安心経営の仕組みを提供します。
リースホールドの住宅取得を検討しています。土地付きの戸建てに比べて、資産価値が目減りして、将来売れないのが心配です。
土地と建物を購入する従来の戸建住宅は、土地神話のあったバブルの頃までは建物の減価償却以上に土地が値上がりしていました。今や多大な借金で買った日本の戸建ては、購入時よりも大幅に株価が下落し、損が表面化した株を売却しないのと同様、よほどの理由がなければ売らなくなりました。その呪縛を解決するためにリースホールドでは売りやすい仕組みを構築しています。