車社会が進み、郊外の幹線道路沿いに食品スーパーやホームセンター、家電量販店やパチンコ店、ファミレスなど、いわゆる『ロードサイド型店舗』が数多く出来ました。その多くは、借地を借りて店舗を建てたもので、20年間の事業用定期借地契約で結ばれているものが多くあります。
以前は、複数の個人に貸すよりも、チェーン店を経営するような法人に貸すほうが、長期的に安定的な収益が得られ、需要も多かったので良い条件で借りてくれていました。しかし大型店の出店を規制していた『大店法』が米国の圧力で廃止され、代わりに『大規模小売店舗立地法』が施行されると、状況が一変します。より郊外に超大型の商業施設、ショッピングセンターやアウトレットモールが次々と出店するようになり、都市の中心部や近郊では、中規模のお店が郊外の大型店にお客を奪われるようになりました。この状況で、20年間の借地契約の終了が近づくと、それまで安心していた法人との契約が、地主にとって急にリスクに変わっていくのです。